ブルーベルリトミック
レッスンの後のワクワク感
子供の頃習っていた先生は厳しい怖い先生でした。レッスンではいつも怒られて半泣きべそで帰っていました。先生のお家は当時バスで30分以上かかる場所だったのですが、よく帰りはバス代を浮かせて寄り道しながら歩いて帰りました。最初のうちは落ち込んでレッスンで怒られたことを考えて歩いているのですが、そのうちウィンドウをのぞいたり、お店に入ってみたり、公園に寄り道したりしてるうちにすっかり怒られたことは忘れてしまい家に着いた頃にはお腹も空いてすっきりしていました。 時は過ぎて音楽大学に入っても一週間に一度のピアノのレッスンの後は格別でした。さすがに怒られることはなくなりましたが、朝の5時から学校に行って練習して夕方のレッスンが終わった後は友人とよくご飯を食べに行きました。 その日の開放感とご飯の美味しさは今でも忘れられません。きっと色々なお天気もあったのでしょうが思い出されるのは夕陽が沈みかけた大学の前の食欲がそそられる匂いがたちこめた商店街です。 その後海外に行って場所も学校も先生も変わってもレッスンの後の開放感はずっと続きました。 また時が経って自分の子供たちがヴァイオリンとピアノを習うようになってそのワクワク感は子供に引き継がれたようです。 レッスン前はいつも親子ケンカになり険悪な状態で行くのですが、終わった後はすっきりとしてこちらもウキウキしてコンビニでお菓子を買って帰りの車で食べたり、外でご飯を食べたり子供たちも上機嫌で本当に幸せな気分になりました。家に帰ってまた練習が再開されると親子ゲンカになり最悪の状態でレッスンに行くのですが終わった後は開放感に浸るというループを何年もの間繰り返しました。 子供たちも大きくなりそういうことは終わってしまいましたが、そのワクワク感はいい思い出として今でも思い出します。 毎週のルーティーンの中で何かを成し遂げた達成感は何にもまして爽やかなものです。 また子供とその時間を共有出来たことは本当に良かったと思います。 今、習い事をされている方もレッスンの後、子供と何でもいいので共有の楽しい時間を作って下さい。何年も経ってきっといい思い出になります。
青村理恵子