ブルーベルリトミック
"一流であり続ける"ということ
先週発表会が終わり、春休みを利用して京都旅行に行って来ました。 京都は少しひんやりとしていて、桜はまだ蕾の状態でしたが清水寺や嵐山など沢山の名所を訪れ京都を満喫することができました。 2日目の晩、家族で懐石料理を食べに夫婦で切り盛りしている隠れ家風のお店を訪れました。ご主人が作る懐石料理はとても繊細かつ丁寧で、やわらかな雰囲気があり音楽に例えならばまさにロマン派と言える、絶品でした。手間を惜しまないお料理の数々を堪能しながら そこまでこだわりを持つ理由を尋ねたところ『最近は既製品でも美味しいものがたくさん出回っていて、一つ気を許して楽をしてしまうと落ちるところまで落ちてしまいお客様を裏切る結果になる』と。そうしないのは『若い頃の厳しい修行があったから』とお話ししてました。
音楽の世界も料理の世界も、一流であり続けるためには努力をし続けなければならない、という点においては共通していると言えます。 内田光子やマリアジョアンピレシュなどの一流のピアニスト達は天才的な才能を持ちながらも常に自分に奢らず、決して努力を怠らず、ひたむきにピアノに向かっているからこそいつまでも一流であり続けられのです。 沢山の才能溢れるピアニストが次々と現れては消えていくなかで、一流に上り詰めることよりも一流を維持し続ける事の方が過酷で大変な事なのではないでしょうか。 京都で出会った懐石料理からふと一流の世界を垣間見た瞬間でした。
春休みも今週で終わり、来週からはまたレッスンが始まりますが、いつまでも学ぶ姿勢を忘れ続けない先生であり続けたいと思う今日この頃です。
青村 理恵子