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  • 執筆者の写真ブルーベルリトミック

旅立ち

私のピアノ教室では3月に発表会をしているので大学進学などで教室を卒業する生徒が多い月です。音楽大学に入る場合は大学の先生に変わりますし、一般大学に進んだ生徒達もそれぞれの道に進んで行きます。10年以上教えている生徒がほとんどなので送り出す側の私としては不安でいっぱいです。音楽大学に進む生徒に対しては、もっともっと多くのこと教えたかったのに伝えきれなかった思い、それ以外の生徒に対してはもうピアノから離れて弾かなくなってしまうのではないかという不安です。            しかしそれは杞憂であることがほとんどで、何年が経って演奏を聴くと驚く程成長しています。嬉しい反面、自分が教えて手伝えることは多くはなく生徒が大事な時期に自分自身で成長していることを感じます。 子供から思春期を経て大人になる手前まで見ている私としては、必ずしもいい関係が続く訳ではありません。練習しなかったり、態度が悪かったり、"この生徒が音楽をやる意味があるのだろうか"と悩むことも多々あります。 しかし、何年経っても演奏を続けているかつての教え子達の演奏を聴くと音楽がしっかり根付いて本当にこの仕事をしていて良かったと思う瞬間でもあります。 先日もかつての教え子の演奏を聴く機会がありました。彼は音楽を専門的に学んだのですが、音楽以外の仕事に就き、家にはピアノがない状態が続いています。しかしいつも色々な演奏を聴いて、時々ピアノを借りて練習している彼の演奏は人生の深みを感じさせ、心を揺さぶる素晴らしい演奏でした。教えている時は数々の衝突もありましたが一生懸命教えて良かったとつくづく思いました。 一期一会と言いますが、生徒と先生も一つの出会いです。1人1人との出会いを大切にして音楽の素晴らしさを伝えていきたいです。

青村理恵子

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